2012年12月16日日曜日

国際課税ミニテスト(24-13)

 外国子会社配当益金不算入制度に関して、適切なものはいくつあるか?

24-13-1 外国子会社配当益金不算入制度は、国際的な租税回避を防止するための制度である。

24-13-2 外国子会社から外国子会社配当益金不算入制度の対象となる配当を受領した場合、配当に対して課される外国源泉税等の額は、外国税額の控除の対象にならず損金算入もできない。

24-13-3 外国子会社配当益金不算入制度の導入に伴い、みなし外国税額控除が廃止された。

24-13-4 外国子会社から外国子会社配当益金不算入制度の対象となる配当100を受け取った場合、内国法人の益金不算入となる金額は95であり、差額の5は外国税とみなされる。
















24-13-1 外国子会社配当益金不算入制度は、国際的な租税回避を防止するための制度である。

 誤り
 外国子会社配当益金不算入制度は、内国法人が外国子会社から受けとる配当について、原則として課税しないというものである。間接外税控除に代わるものとして、平成21年度改正で導入された。
 外国子会社配当益金不算入制度と外国税額控除は、国際的な二重課税の排除が目的である。
 一方、国際的な租税回避を防止するための制度としては、移転価格税制(措法66の4)や過少資本税制(措法66の5)、過大支払利子税制(措法66の5の2)、外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制(措法66の6))が挙げられる。


24-13-2 外国子会社から外国子会社配当益金不算入制度の対象となる配当を受領した場合、配当に対して課される外国源泉税等の額は、外国税額の控除の対象にならず損金算入もできない。

 正しい
 「控除対象外国法人税の額」から除かれる「内国法人の法人税に関する法令の規定により法人税が課されないこととなる金額を課税標準として外国法人税に関する法令により課されるものとして政令で定める外国法人税の額」(法法69①括弧書き)の1つである。
 「法第23条の2第1項に規定する外国子会社から受ける同項に規定する剰余金の配当等の額(同条第2項の規定の適用を受けるものを除く。以下この号において同じ。)を課税標準として課される外国法人税の額(当該剰余金の配当等の額の計算の基礎となつた当該 外国子会社の所得のうち内国法人に帰せられるものとして計算される金額を課税標準として当該内国法人に対して課される外国法人税の額を含む。) 」(法令142の2⑦三)。

 内国法人が第23条の2第1項(外国子会社から受ける配当等の益金不算入)に規定する外国子会社から受ける同項に規定する剰余金の配当等の額(以下この条において「剰余金の配当等の額」という。)につき同項の規定の適用を受ける場合には、当該剰余金の配当等の額に係る外国源泉税等の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない(法法39条の2)。


24-13-3 外国子会社配当益金不算入制度の導入に伴い、みなし外国税額控除が廃止された。

 誤り
 平成21年度改正で、外国子会社配当益金不算入制度の導入に伴い廃止されたのは間接外国税額控除である。


24-13-4 外国子会社から外国子会社配当益金不算入制度の対象となる配当100を受け取った場合、内国法人の益金不算入となる金額は95であり、差額の5は外国税とみなされる。

 誤り
 「内国法人が外国子会社から受ける前条第1項第1号に掲げる金額(以下第3項までにおいて「剰余金の配当等の額」という。)がある場合には、当該剰余金の配当等の額から当該剰余金の配当等の額に係る費用の額に相当するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない」(法法23の2①)。

 「法第23条の2第1項に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、剰余金の配当等の額の100分の5に相当する金額とする」(法令22の4②)。

 従って、配当100から控除額5を控除した95が益金不算入となる。差額の5は、当該事業年度の益金の額に算入されるのであって、損金の額に算入するわけではない(法法39条の2)。

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