2012年12月16日日曜日

国際課税ミニテスト(24-10)

 外国税額控除に関して、適切なものはいくつあるか?

24-10-1 我が国の外国税額の控除の態様は、①直接外国税額控除、②間接外国税額控除、③みなし外国税額控除の3つに大別される。このうち、租税特別措置法に規定されていたみなし外国税額控除は、平成21年度改正で廃止された。

24-10-2 外国税額の控除の対象となる税は、租税条約の規定を根拠とし、外国又はその地方公共団体により、法人(個人)の所得に課される税である。

24-10-3 納税者と外国又はその地方公共団体との合意により複数の税率の中から税率が決定された税については、当該複数の税率のうち最も低い税率等を上回る部分は外国法人税に該当しない。

24-10-4 我が国の所得税法に規定する外国税額控除において税負担が一定以上に高率な部分については、控除対象外国所得税の額に該当しない。
















24-10-1 我が国の外国税額の控除の態様は、①直接外国税額控除、②間接外国税額控除、③みなし外国税額控除の3つに大別される。このうち、租税特別措置法に規定されていたみなし外国税額控除は、平成21年度改正で廃止された。

 誤り
 外税控除は措置法ではなく(法法69、所法95)、平成21年度改正で廃止されたのは間接外国税額控除である。


24-10-2 外国税額の控除の対象となる税は、租税条約の規定を根拠とし、外国又はその地方公共団体により、法人(個人)の所得に課される税である。

 誤り
 日本国の法令の規定に従い、外国法人税(外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により法人の所得を課税標準として課される税(法法69①、法令141①))及び外国所得税(外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により個人の所得を課税標準として課される税(所法95①、所令221①))が対象となる。


24-10-3 納税者と外国又はその地方公共団体との合意により複数の税率の中から税率が決定された税については、当該複数の税率のうち最も低い税率等を上回る部分は外国法人税に該当しない。

 正しい
 ガーンジー島事件により、外国法人税の範囲(法令141③)が変更された。
 外国又はその地方公共団体により課される次に掲げる税は、外国法人税に含まれないものとする。
三 複数の税率の中から税の納付をすることとなる者と外国若しくはその地方公共団体又はこれらの者により税率の合意をする権限を付与された者との合意により税率が決定された税(当該複数の税率のうち最も低い税率(当該最も低い税率が当該合意がないものとした場合に適用されるべき税率を上回る場合には当該適用されるべき税率)を上回る部分に限る。)


24-10-4 我が国の所得税法に規定する外国税額控除において税負担が一定以上に高率な部分については、控除対象外国所得税の額に該当しない。

 誤り
 法人税は、「その所得に対する負担が高率な部分として政令で定める外国法人税の額」は外税控除の対象となる外国法人税の額から除かれる(法法69)が、所得税にはそのような規定は無い(所法95)。

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