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2012年12月16日日曜日

国際課税ミニテスト(24-12)

 外国税額控除に関して、(イ)~(ニ)に入る語句は何か?

 控除対象外国法人税の額が控除限度額と地方税控除限度額との合計額を超える部分を(イ)といい、(ロ)年間の繰越しが認められている。
 逆に、控除対象外国法人税の額が控除限度額と地方税控除限度額との合計額に満たない部分を(ハ)といい、(ニ)年間の繰越しが認められている。
















(イ)控除限度超過額
(ロ)3
(ハ)控除余裕額
(ニ)3


 控除限度超過額とは、内国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の国税の控除限度額と地方税の控除限度額との合計額を超える場合におけるその超える部分の金額に相当する金額をいう(法令144⑦)。

内国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額と地方税控除限度額として政令で定める金額との合計額を超える場合において、前3年内事業年度の控除限度額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項及び第11項において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する(法法69②)。

 控除余裕額とは、内国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の国税の控除限度額に満たない場合における当該国税の控除限度額から当該控除対象外国法人税の額を控除した金額に相当する金額をいう(法令144⑤)。

 内国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額に満たない場合において、その前3年内事業年度において納付することとなった控除対象外国法人税の額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項及び第11項において「繰越控除対象外国法人税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額から当該事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額を控除した残額を限度として、その繰越控除対象外国法人税額を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する(法法69③)。

国際課税ミニテスト(24-11)

 外国税額控除に関して、(イ)~(ハ)に入る数値はいくらか?

 甲社の全世界所得金額が400、そのうち国外所得金額が100、我が国の法人税率が30%であった場合、外国税額の控除限度額を計算すると(イ)である。甲社が国外所得金額100に対して40の外国法人税を納付したとすると、甲社の外国税額の控除の額は(ロ)であり、日本で納税する額は(ハ)である。
















 外国税額の控除については、「内国法人が各事業年度において外国法人税を納付することとなる場合には、当該事業年度の所得の金額につき第66条第1項から第3項まで(各事業年度の所得に対する法人税の税率)の規定を適用して計算した金額のうち当該事業年度の所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を限度として、その外国法人税の額を当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する」(法法69①)。

 これを受けて、控除限度額の計算は、「法第69条第1項(外国税額の控除)に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同項の内国法人の各事業年度の所得に対する法人税の額に、当該事業年度の所得金額のうちに当該事業年度の国外所得金額の割合を乗して計算した金額とする」(法令142①)。

 内国法人の各事業年度の所得に対する法人税の額:400×30%=120
 当該事業年度の所得金額:400
 当該事業年度の国外所得金額:100

 (イ)控除限度額:400×30%×(100/400)=30
 (ロ)外国税額控除額:30(外国法人税額40>控除限度額30)
 (ハ)日本での納税額:400×30%-30=90

国際課税ミニテスト(24-10)

 外国税額控除に関して、適切なものはいくつあるか?

24-10-1 我が国の外国税額の控除の態様は、①直接外国税額控除、②間接外国税額控除、③みなし外国税額控除の3つに大別される。このうち、租税特別措置法に規定されていたみなし外国税額控除は、平成21年度改正で廃止された。

24-10-2 外国税額の控除の対象となる税は、租税条約の規定を根拠とし、外国又はその地方公共団体により、法人(個人)の所得に課される税である。

24-10-3 納税者と外国又はその地方公共団体との合意により複数の税率の中から税率が決定された税については、当該複数の税率のうち最も低い税率等を上回る部分は外国法人税に該当しない。

24-10-4 我が国の所得税法に規定する外国税額控除において税負担が一定以上に高率な部分については、控除対象外国所得税の額に該当しない。
















24-10-1 我が国の外国税額の控除の態様は、①直接外国税額控除、②間接外国税額控除、③みなし外国税額控除の3つに大別される。このうち、租税特別措置法に規定されていたみなし外国税額控除は、平成21年度改正で廃止された。

 誤り
 外税控除は措置法ではなく(法法69、所法95)、平成21年度改正で廃止されたのは間接外国税額控除である。


24-10-2 外国税額の控除の対象となる税は、租税条約の規定を根拠とし、外国又はその地方公共団体により、法人(個人)の所得に課される税である。

 誤り
 日本国の法令の規定に従い、外国法人税(外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により法人の所得を課税標準として課される税(法法69①、法令141①))及び外国所得税(外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により個人の所得を課税標準として課される税(所法95①、所令221①))が対象となる。


24-10-3 納税者と外国又はその地方公共団体との合意により複数の税率の中から税率が決定された税については、当該複数の税率のうち最も低い税率等を上回る部分は外国法人税に該当しない。

 正しい
 ガーンジー島事件により、外国法人税の範囲(法令141③)が変更された。
 外国又はその地方公共団体により課される次に掲げる税は、外国法人税に含まれないものとする。
三 複数の税率の中から税の納付をすることとなる者と外国若しくはその地方公共団体又はこれらの者により税率の合意をする権限を付与された者との合意により税率が決定された税(当該複数の税率のうち最も低い税率(当該最も低い税率が当該合意がないものとした場合に適用されるべき税率を上回る場合には当該適用されるべき税率)を上回る部分に限る。)


24-10-4 我が国の所得税法に規定する外国税額控除において税負担が一定以上に高率な部分については、控除対象外国所得税の額に該当しない。

 誤り
 法人税は、「その所得に対する負担が高率な部分として政令で定める外国法人税の額」は外税控除の対象となる外国法人税の額から除かれる(法法69)が、所得税にはそのような規定は無い(所法95)。

2012年12月8日土曜日

国際課税ミニテスト(24-2)

 適切なものはいくつあるか?

24-2-1 我が国の締結した多くの租税条約は、二重課税の調整、脱税及び租税回避への対応等を通じ、二国間の健全な投資・経済交流の促進に資するものである。

24-2-2 二重課税に対処する制度として、いわゆるタックスヘイブン対策税制、移転価格税制、過少資本税制などがある。

24-2-3 非居住者・外国法人に対する支払で国内源泉所得に該当するものについては、全て源泉徴収の対象となる。

24-2-4 国内に恒久的施設(PE)を有している非居住者・外国法人は、租税条約に関わらず、全ての国内源泉所得について申告義務がある。

24-2-5 租税条約の規定により、我が国のタックスヘイブン対策税制の適用が制限されると判断した最高裁判決がある。














24-2-1 我が国の締結した多くの租税条約は、二重課税の調整、脱税及び租税回避への対応等を通じ、二国間の健全な投資・経済交流の促進に資するものである。

 正しい
 この通りである。


24-2-2 二重課税に対処する制度として、いわゆるタックスヘイブン対策税制、移転価格税制、過少資本税制などがある。

 誤り
 いずれも租税回避を防止する制度であり、二重課税を排除する制度としては、外国税額控除や外国子会社配当益金不算入制度がある。


24-2-3 非居住者・外国法人に対する支払で国内源泉所得に該当するものについては、全て源泉徴収の対象となる。

 誤り
 国内源泉所得のうち1号所得は源泉徴収の対象とならない(所法212①)。
 厳密には、PEのない非居住者の1号の2所得も対象外となる。


24-2-4 国内に恒久的施設(PE)を有している非居住者・外国法人は、租税条約に関わらず、全ての国内源泉所得について申告義務がある。

 誤り
 非居住者・外国法人が1号PEを有する場合には、国内法(所法164①一、法法141一)は総合主義(entire income principle)であり、PE帰属の有無を問わず全ての国内源泉所得が総合課税の対象となる。
 一方、OECDモデル租税条約を含め、日本が締結している全ての租税条約は帰属主義(attributable income principle)であり、PEに帰属する国内源泉所得のみが総合課税の対象となる。
 租税条約に異なる定めがある場合には、国内法上の国内源泉所得を租税条約上の国内源泉所得に読み替える(所法162、法法139)。


24-2-5 租税条約の規定により、我が国のタックスヘイブン対策税制の適用が制限されると判断した最高裁判決がある。

 誤り
 制限されないという最高裁判例(平成21年10月29日平成21年12月4日)がある。

国際課税ミニテスト(24-1)

 適切なものはいくつあるか?

24-1-1 我が国では、居住者及び内国法人の課税対象を全世界所得としているため、国外源泉所得について国際的二重課税が生じるが、国ごとに取扱いの偏りがあるわけではないので、経済的な問題は生じない。

24-1-2 海外取引の担当者は、租税条約についての知識は特に必要ない。

24-1-3 国際的二重課税の排除の方法として、我が国では外国税額控除方式のみを採用している。

24-1-4 我が国の外国税額控除方式は、居住者又は内国法人の所得税額又は法人税額のうち全世界所得に占める国外所得金額の割合を基に計算した金額を限度として、納付した外国所得税又は外国法人税の額を、その年分又は当該事業年度の所得税又は法人税の額から控除する制度である。

24-1-5 外国税額控除方式は国外所得免除方式に比べて属地主義的である。














24-1-1 我が国では、居住者及び内国法人の課税対象を全世界所得としているため、国外源泉所得について国際的二重課税が生じるが、国ごとに取扱いの偏りがあるわけではないので、経済的な問題は生じない。

 誤り
 国際的経済活動に対する障害のみならず、投資や経済活動に対する税制の中立性を阻害している。


24-1-2 海外取引の担当者は、租税条約についての知識は特に必要ない。

 誤り
 経理担当者のみならず、海外取引担当者も租税条約の基本事項は知っておくべきである。


24-1-3 国際的二重課税の排除の方法として、我が国では外国税額控除方式のみを採用している。

 誤り
 国外所得免除方式である外国子会社配当益金不算入制度(法法23の2)が存在する。


24-1-4 我が国の外国税額控除方式は、居住者又は内国法人の所得税額又は法人税額のうち全世界所得に占める国外所得金額の割合を基に計算した金額を限度として、納付した外国所得税又は外国法人税の額を、その年分又は当該事業年度の所得税又は法人税の額から控除する制度である。

 正しい
 法令142①・所令222①の通りである。厳密には、居住者と異なり内国法人は「外国法人税が課されない国外源泉所得」の調整(法令142③)等が必要である。


24-1-5 外国税額控除方式は国外所得免除方式に比べて属地主義的である。

 誤り
 国家の課税権を属人的にとらえて、居住者や内国法人の全世界所得に対する税額から外国税額を控除するのが「外国税額控除方式」である。投資を国内で行うか国外で行うかについての選択に課税が影響を及ぼさず、「資本輸出中立性(CEN:Capital Export Neutrality)」を有している。
 一方、課税権を属地的にとらえて、国外に源泉のある所得を課税の対象から除外するのが「国外所得免除方式」である。国外から投資を行う者は、進出先である源泉地国において課税を受けるのみであり、進出先での競争条件が他社と比べて不利にならない(居住地国で高率課税等を受けない)ため、「資本輸入中立性(CIN:Capital Import Neutrality)」を有している。
 CENは、居住地国において、源泉地国が国内であろうと国外であろうと、所得を区分せず課税するため、海外進出を妨げない(居住地国からみて平等)。CINは、源泉地国において、居住者・内国法人であろうと、非居住者・外国法人であろうと、源泉地国で得た所得に対しては、源泉地国でのみ課税するため、居住地国がどこであろうと源泉地国で競争条件が不利になるわけではない(源泉地国からみて平等)。