2012年12月31日月曜日

国際課税ミニテスト(24-18)

 我が国におけるタックスヘイブン対策税制に関して、適切なものはいくつあるか?

24-18-1 特定外国子会社等の主たる事業が、株式等の保有を主たる目的とするものであっても、被統括会社である内国法人及び外国法人の統括業務を行う場合には、事業基準を満たすものとされる。

24-18-2 統括業務は3以上の被統括会社を統括するものでなければならない

24-18-3 「統括会社」とは、1の内国法人によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている特定外国子会社等で、①2以上の被統括会社を有しその被統括会社に対して統括業務を行っていること、②その本店所在地国において統括業務にかかる固定施設及びその統括業務に専ら従事する者を有することの要件を満たすものをいう。

24-18-4 「事業持株会社」とは、統括会社のうち株式等の保有を主たる事業とするものをいい、その事業年度終了時において有する被統括会社の株式等の貸借対照表上の帳簿価格の合計額が、総資産額の100分の50に相当する金額を超えるものをいう。

24-18-5 特定外国子会社等が適用除外基準を満たすことにより会社単位での合算課税制度が適用されない場合でも、不動産や預貯金から生じる利益である「特定所得」を有するときは「特定所得」は合算の対象となる。
















24-18-1 特定外国子会社等の主たる事業が、株式等の保有を主たる目的とするものであっても、被統括会社である内国法人及び外国法人の統括業務を行う場合には、事業基準を満たすものとされる。

 誤り
 被統括会社は外国法人に限られる。

 「株式等若しくは債券の保有、工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの(これらの権利に関する使用権を含む。)若しくは著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。)の提供又は船舶若しくは航空機の貸付け(次項において「特定事業」という。)を主たる事業とするもの(株式等の保有を主たる事業とする特定外国子会社等のうち、当該特定外国子会社等が他の外国法人の事業活動の総合的な管理及び調整を通じてその収益性の向上に資する業務として政令で定めるもの(以下この項において「統括業務」という。)を行う場合における当該他の外国法人として政令で定めるものの株式等の保有を行うものとして政令で定めるもの(以下この項において「事業持株会社」という。)を除く。)以外のもの」(措法66の6③)

 「被統括会社(政令で定める他の外国法人)」は、次に掲げる外国法人で、当該外国法人の発行済株式等のうちに特定外国子会社等(当該外国法人に対して統括業務を行うものに限る。以下この項において同じ。)の有する当該外国法人の株式等の数又は金額の占める割合及び当該外国法人の議決権の総数のうちに当該特定外国子会社等の有する当該外国法人の議決権の数の占める割合のいずれもが100分の25以上であり、かつ、その本店所在地国にその事業を行うに必要と認められる当該事業に従事する者を有するもの(以下この条において「被統括会社」という。)とする。
 一  当該特定外国子会社等及び当該特定外国子会社等に係る法第66条の6第1項各号に掲げる内国法人並びに当該内国法人が当該特定外国子会社等に係る間接保有の株式等(同条第2項第3号に規定する間接に有するものとして政令で定める外国法人の株式の数又は出資の金額をいう。以下この号及び第7項第4号において同じ。)を有する場合における当該間接保有の株式等に係る前条第3項第1号に規定する他の外国法人又は同項第2号に規定する他の外国法人及び出資関連外国法人(以下この項において「判定株主等」という。)が外国法人を支配している場合における当該外国法人(以下この項において「子会社」という。)
 二  判定株主等及び子会社が外国法人を支配している場合における当該外国法人(次号において「孫会社」という。)
 三  判定株主等並びに子会社及び孫会社が外国法人を支配している場合における当該外国法人」(措令39の17②)

 「法人税法施行令第4条第3項の規定は、前項各号に掲げる外国法人を支配している場合について準用する」(措令39の17③)。


24-18-2 統括業務は3以上の被統括会社を統括するものでなければならない

 誤り
 3以上ではなくて2以上である。

 「統括業務(政令で定める業務)」は、「特定外国子会社等が被統括会社との間における契約に基づき行う業務のうち当該被統括会社の事業の方針の決定又は調整に係るもの(当該事業の遂行上欠くことのでき ないものに限る。)であつて、当該特定外国子会社等が2以上の被統括会社に係る当該業務を一括して行うことによりこれらの被統括会社の収益性の向上に資することとなると認められるもの」(措令39の17①)。


24-18-3 「統括会社」とは、一の内国法人によってその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている特定外国子会社等で、①2以上の被統括会社を有しその被統括会社に対して統括業務を行っていること、②その本店所在地国において統括業務にかかる固定施設及びその統括業務に専ら従事する者を有することの要件を満たすものをいう。

 正しい
 なお、株式等の保有を主たる事業とする特定外国子会社等のうち、統括事業として、被統括会社の株式等の保有を行う統括会社は事業持株会社となり、事業基準を満たすことになる。

 「統括会社(政令で定める特定外国子会社等)」は、一の内国法人によつてその発行済株式等の全部を直接又は間接に保有されている特定外国子会社等で次に掲げる要件を満たすもの(以下この条において「統括会社」 という。)のうち、株式等の保有を主たる事業とするもの(当該統括会社の当該事業年度終了の時において有する当該統括会社に係る被統括会社の株式等の当該事業年度終了の時における貸借対照表に計上されている帳簿価額の合計額が当該統括会社の当該事業年度終了の時において有する株式等の当該貸借対照表に計上されている帳簿価額の合計額の100分の50に相当する金額を超える場合における当該統括会社に限る。)とする。
 一  当該特定外国子会社等に係る2以上の被統括会社に対して統括業務を行つていること。
 二  その本店所在地国に統括業務に係る事務所、店舗、工場その他の固定施設及び当該統括業務を行うに必要と認められる当該統括業務に従事する者(専ら当該統括業務に従事する者に限るものとし、当該特定外国子会社等の役員及び当該役員に係る法人税法施行令第72条各号に掲げる者を除く。)を有していること」 (措令39の17④)。


24-18-4 「事業持株会社」とは、統括会社のうち株式等の保有を主たる事業とするものをいい、その事業年度終了時において有する被統括会社の株式等の貸借対照表上の帳簿価格の合計額が、総資産額の100分の50に相当する金額を超えるものをいう。

 誤り
 総資産ではなく、株式等の帳簿価額の合計額である(措令39の17④括弧書き)。
 当該統括会社が事業年度終了の時において有する被統括会社株式の帳簿価額の合計額が、統括会社の全保有株式簿価の50%を超える場合に限る。


24-18-5 特定外国子会社等が適用除外基準を満たすことにより会社単位での合算課税制度が適用されない場合でも、不動産や預貯金から生じる利益である「特定所得」を有するときは「特定所得」は合算の対象となる。

 誤り
 不動産から生じる利益は、特定所得とはならない(措法66の6④)。

第1項各号に掲げる内国法人に係る特定外国子会社等が、平成22年4月1日以後に開始する各事業年度において前項の規定により第1項の規定を適用しない適用対象金額を有する場合において、当該各事業年度に係る次に掲げる金額(第一号から第五号までに掲げる金額については、当該特定外国子会社等が行う事業(特定事業を除く。)の性質上重要で欠くことのできない業務から生じたものを除く。以下この項において「特定所得の金額」という。)を有するときは、当該各事業年度の特定所得の金額の合計額のうちその内国法人の有する当該特定外国子会社等の直接及び間接保有の株式等の数に対応するものとしてその株式等の請求権の内容を勘案して政令で定めるところにより計算した金額に相当する金額は、その内国法人の収益の額とみなして当該各事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日を含むその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
 一  剰余金の配当等の額(当該特定外国子会社等の有する他の法人の株式等の数又は金額のその発行済株式又は出資(その有する自己の株式等を除く。第四号において「発行済株式等」という。)の総数又は総額のうちに占める割合が、当該剰余金の配当等の額の支払に係る効力が生ずる日において、100分の10に満たない場合における当該他の法人から受けるものに限る。以下この号において同じ。)の合計額から当該剰余金の配当等の額を得るために直接要した費用の額の合計額及び当該剰余金の配当等の額に係る費用の額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額
 二  債券の利子の額の合計額から当該利子の額を得るために直接要した費用の額の合計額及び当該利子の額に係る費用の額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額
 三  債券の償還金額(買入消却が行われる場合には、その買入金額)がその取得価額を超える場合におけるその差益の額の合計額から当該差益の額を得るために直接要した費用の額の合計額及び当該差益の額に係る費用の額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した残額
 四  株式等の譲渡(金融商品取引法第2条第16項に規定する金融商品取引所の開設する市場においてする譲渡その他政令で定めるものに限る。以下この号及び次号において同じ。)に係る対価の額(当該特定外国子会社等の有する他の法人の株式等の数又は金額のその発行済株式等の総数又は総額のうちに占める割合が、当該譲渡の直前において、100分の10に満たない場合における当該他の法人の株式等の譲渡に係る対価の額に限る。以下この号において同じ。)の合計額から当該株式等の譲渡に係る原価の額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額及び当該対価の額を得るために直接要した費用の額の合計額を控除した残額
 五  債券の譲渡に係る対価の額の合計額から当該債券の譲渡に係る原価の額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額及び当該対価の額を得るために直接要した費用の額の合計額を控除した残額
 六  特許権、実用新案権、意匠権若しくは商標権又は著作権の使用料の合計額から当該使用料を得るために直接要した費用の額の合計額を控除した残額
 七  船舶又は航空機の貸付けによる対価の額の合計額から当該対価の額を得るために直接要した費用の額の合計額を控除した残額

2012年12月22日土曜日

国際課税ミニテスト(24-17)

 我が国におけるタックスヘイブン対策税制に関して、適切なものはいくつあるか?

24-17-1 タックスヘイブン対策税制の適用除外要件として、4つの適用除外要件が定められているが、1つでも満たせば適用が除外される。

24-17-2 「事業基準」とは、特定外国子会社等が「特定事業」を主たる事業とするものでないことをいい、特定事業とは不動産の賃貸や預貯金の保有などの受動的事業を指す

24-17-3 「実体基準」とは、特定外国子会社等が主たる事業を行うのに必要と認められる事務所・店舗・工場その他の固定施設をタックスヘイブンに有し、かつ必要な従業員を置いていることをいう。

24-17-4 「管理支配基準」とは、特定外国子会社等が実体基準を満たしつつも内国法人に管理支配されていることをいう。

24-17-5 その他の基準である、「非関連者基準」と「所在地国基準」は、営む事業の種類によっていずれかが適用される。
















24-17-1 タックスヘイブン対策税制の適用除外要件として、4つの適用除外要件が定められているが、1つでも満たせば適用が除外される。

 誤り
 適用対象外となるためには、「事業基準」、「実体基準」、「管理支配基準」、「所在地国基準または非関連者基準」の4要件全てを満たしていなければならない。

 「第1項の規定は、同項各号に掲げる内国法人に係る特定外国子会社等で、株式等若しくは債券の保有、工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの(これらの権利に関する使用権を含む。)若しくは著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。)の提供又は船舶若しくは航空機の貸付け(次項において「特定事業」という。)を主たる事業とするもの(株式等の保有を主たる事業とする特定外国子会社等のうち、当該特定外国子会社等が他の外国法人の事業活動の総合的な管理及び調整を通じてその収益性の向上に資する業務として政令で定めるもの(以下この項において「統括業務」という。)を行う場合における当該他の外国法人として政令で定めるものの株式等の保有を行うものとして政令で定めるもの(以下この項において「事業持株会社」という。)を除く。)以外のものが、その本店又は主たる事務所の所在する国又は地域においてその主たる事業(事業持株会社にあつては、統括業務とする。以下この項において同じ。)を行うに必要と認められる事務所、店舗、工場その他の固定施設を有し、かつ、その事業の管理、支配及び運営を自ら行つているものである場合であつて、各事業年度においてその行う主たる事業が次の各号に掲げる事業のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める場合に該当するときは、当該特定外国子会社等のその該当する事業年度に係る適用対象金額については、適用しない
一  卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業又は航空運送業 その事業を主として当該特定外国子会社等に係る第40条の4第1項各号に掲げる居住者、当該特定外国子会社等に係る第1項各号に掲げる内国法人、当該特定外国子会社等に係る第68条の90第1項各号に掲げる連結法人その他これらの者に準ずる者として政令で定めるもの以外の者との間で行つている場合として政令で定める場合
二  前号に掲げる事業以外の事業 その事業を主として本店又は主たる事務所の所在する国又は地域(当該国又は地域に係る水域で政令で定めるものを含む。)において行つている場合として政令で定める場合」(措法66条の6③)


24-17-2 「事業基準」とは、特定外国子会社等が「特定事業」を主たる事業とするものでないことをいい、特定事業とは不動産の賃貸や預貯金の保有などの受動的事業を指す

 誤り
 「特定事業」とは、株式等若しくは債券の保有、工業所有権等の提供又は船舶若しくは航空機の貸付けを指す。また、統括会社(事業持株会社)は適用除外となる。(措法66条の6③、措令39の17)。
 これらが受動的事業であることは確かであるが、「不動産の賃貸」と「船舶若しくは航空機の貸付け」、「預貯金の保有」と「株式等若しくは債券の保有」は文理解釈上異なる概念である。


24-17-3 「実体基準」とは、特定外国子会社等が主たる事業を行うのに必要と認められる事務所・店舗・工場その他の固定施設をタックスヘイブンに有し、かつ必要な従業員を置いていることをいう。

 誤り
 「本店又は主たる事務所の所在する国又は地域においてその主たる事業(事業持株会社にあつては、統括業務とする。以下この項において同じ。)を行うに必要と認められる事務所、店舗、工場その他の固定施設を有し」(措法66条の6③)ていれば良く、必要な従業員を置いていることまでは求められていない。


24-17-4 「管理支配基準」とは、特定外国子会社等が実体基準を満たしつつも内国法人に管理支配されていることをいう。

 誤り
 内国法人に係る特定外国子会社等がその本店又は主たる事務所の所在する国又は地域において、「事業の管理、支配及び運営を自ら行つている」(措法66条の6③)とは、「当該特定外国子会社等の株主総会及び取締役会等の開催、役員としての職務執行、会計帳簿の作成及び保管等が行われている場所並びにその他の状況を勘案の上行うものとする。この場合において、例えば、当該特定外国子会社等の株主総会の開催が本店所在地国等以外の場所で行われていること、当該特定外国子会社等が、現地における事業計画の策定等に当たり、当該内国法人と協議し、その意見を求めていること等の事実があるとしても、そのことだけでは、当該特定外国子会社等が管理支配基準を満たさないことにはならないことに留意する」(措通66の6-16)。
 「管理支配基準」は「実体基準」と独立したものであり、内包しているわけではない。


24-17-5 その他の基準である、「非関連者基準」と「所在地国基準」は、営む事業の種類によっていずれかが適用される。

 正しい
 「主たる事業が次の各号に掲げる事業のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める場合に該当」(措法66条の6③)すれば良い。
 「非関連者基準」とは、特定外国子会社等の主たる事業が「卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業又は航空運送業」である場合、その事業を主として非関連者との間で行っていることをいう(措法66条の6③一)。
 「所在地国基準」とは、「非関連者基準」が適用される業種以外の業種で、「その事業を主として本店又は主たる事務所の所在する国又は地域(当該国又は地域に係る水域で政令で定めるものを含む。)において行つている場合として政令で定める場合」(措法66条の6③二)をいう。

国際課税ミニテスト(24-16)

 外国法人Z社(税負担割合15%)は、特定外国子会社であり、適用対象金額が算出される法人である。甲、乙及び丙は内国法人であり、それぞれ30%、5%、20%のZ社株式を保有している。
 課税対象金額が算出される内国法人を挙げよ。
















甲及び丙(乙が「同族株主グループ」に該当する場合には乙も対象となる)

 「次に掲げる内国法人に係る外国関係会社のうち、本店又は主たる事務所の所在する国又は地域におけるその所得に対して課される税の負担が本邦における法人の所得に対して課される税の負担に比して著しく低いものとして政令で定める外国関係会社に該当するもの(「特定外国子会社等」)が、昭和53年4月1日以後に開始する各事業年度において適用対象金額を有する場合には、その適用対象金額のうちその内国法人の有する当該特定外国子会社等の直接及び間接保有の株式等の数に対応するものとしてその株式等の請求権(剰余金の配当等、財産の分配その他の経済的な利益の給付を請求する権利をいう。)の内容を勘案して政令で定めるところにより計算した金額(「課税対象金額」)に相当する金額は、その内国法人の収益の額とみなして当該各事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日を含むその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
一  その有する外国関係会社の直接及び間接保有の株式等の数の当該外国関係会社の発行済株式又は出資(当該外国関係会社が有する自己の株式等を除く。)の総数又は総額のうちに占める割合(「直接及び間接の外国関係会社株式等の保有割合」)が100分の10以上である内国法人
二  直接及び間接の外国関係会社株式等の保有割合が100分の10以上である一の同族株主グループに属する内国法人(前号に掲げる内国法人を除く。) 」(措法66条の6①)。

 これを受けて、「政令で定める外国関係会社」は、「
一  法人の所得に対して課される税が存在しない国又は地域に本店又は主たる事務所を有する外国関係会社(措法66条の6②一)
二  その各事業年度の所得に対して課される租税の額が当該所得の金額の100分の20以下である外国関係会社」(措令39条の14①)を意味する。

 なお、「同族株主グループ」とは、「外国関係会社の株式等を直接又は間接に保有する者のうち、一の居住者又は内国法人及び当該一の居住者又は内国法人と政令で定める特殊の関係のある者(外国法人を除く。)をいう」(措法66条の6②六)。

 また、「一の居住者又は内国法人と政令で定める特殊の関係のある者」は、次に掲げる個人又は法人とする。
一  次に掲げる個人
 イ 居住者の親族
 ロ 居住者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
 ハ 居住者の使用人
 ニ イからハまでに掲げる者以外の者で居住者から受ける金銭その他の資産によつて生計を維持しているもの
 ホ ロからニまでに掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族
 ヘ 内国法人の役員及び当該役員に係る法人税法施行令第72条各号に掲げる者
二  次に掲げる法人
 イ 一の居住者又は内国法人(当該居住者又は内国法人と前号に規定する特殊の関係のある個人を含む。以下この項において「居住者等」という。)が他の法人を支配している場合における当該他の法人
 ロ 一の居住者等及び当該一の居住者等とイに規定する特殊の関係のある法人が他の法人を支配している場合における当該他の法人
 ハ 一の居住者等及び当該一の居住者等とイ及びロに規定する特殊の関係のある法人が他の法人を支配している場合における当該他の法人
 ニ 同一の者とイからハまでに規定する特殊の関係のある二以上の法人のいずれかの法人が一の居住者等である場合における当該一の居住者等以外の法人」(措令39条の16⑥)

 さらに、「法人税法施行令第4条第3項の規定は、前項第2号イからハまでに掲げる他の法人を支配している場合について準用する」(措令39条の16⑦)。

 「他の会社を支配している場合」とは、「次に掲げる場合のいずれかに該当する場合をいう。
一  他の会社の発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合
二  他の会社の次に掲げる議決権のいずれかにつき、その総数(当該議決権を行使することができない株主等が有する当該議決権の数を除く。)の100分の50を超える数を有する場合
 イ 事業の全部若しくは重要な部分の譲渡、解散、継続、合併、分割、株式交換、株式移転又は現物出資に関する決議に係る議決権
 ロ 役員の選任及び解任に関する決議に係る議決権
 ハ 役員の報酬、賞与その他の職務執行の対価として会社が供与する財産上の利益に関する事項についての決議に係る議決権
ニ 剰余金の配当又は利益の配当に関する決議に係る議決権
三  他の会社の株主等(合名会社、合資会社又は合同会社の社員(当該他の会社が業務を執行する社員を定めた場合にあつては、業務を執行する社員)に限る。)の総数の半数を超える数を占める場合」(法令4③)である。

国際課税ミニテスト(24-15)

 外国法人Zが我が国におけるタックスヘイブン対策税制の「外国関係会社」に該当するか答えよ。なお、甲・乙・丙は内国法人、A・Zは外国法人である。

24-15-1 内国法人甲がZの株式を25%保有。内国法人乙がZの株式を24%保有。

24-15-2 内国法人甲がZの株式を5%保有。内国法人乙がZの株式を20%保有。内国法人丙が外国法人Aの株式を30%保有し、外国法人AがZの株式を80%保有。

24-15-3 内国法人甲が外国法人Aの株式を70%保有し、外国法人AがZの株式を80%保有。

24-15-4 内国法人甲が外国法人Aの株式を70%保有し、外国法人AがZの株式を70%保有。

24-15-5 内国法人甲がZの株式を20%保有。内国法人甲が外国法人Aの株式を70%保有し、外国法人AがZの株式を40%保有。




















24-15-1  該当しない(25%+24%=49%<50%)

24-15-2  該当しない(5%+20%+30%×80%=49%<50%)

24-15-3  該当する (70%×80%=56%>50%)

24-15-4  該当しない(70%×70%=49%<50%)

24-15-5  該当しない(20%+70%×40%=48%<50%)

「外国関係会社」とは、「外国法人で、その発行済株式又は出資(その有する自己の株式等を除く。)の総数又は総額のうちに居住者及び内国法人並びに特殊関係非居住者(措令39条の14③)が有する直接及び間接保有の株式等の数の合計数又は合計額の占める割合が100分の50を超えるものをいう」(措法66条の6②一)。

 また、「直接及び間接保有の株式等の数」とは、「個人又は内国法人が直接に有する外国法人の株式の数又は出資の金額及び他の外国法人を通じて間接に有するものとして政令で定める当該外国法人の株式の数又は出資の金額の合計数又は合計額をいう」(措法66条の6②三)。

 これを受けて「間接に有するものとして政令で定める外国法人の株式の数又は出資の金額」は、外国法人の発行済株式等に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める割合(当該各号に掲げる場合のいずれにも該当する場合には、当該各号に定める割合の合計割合)を乗じて計算した株式等の数又は金額とする。
 一  当該外国法人の株主等である他の外国法人(以下この号において「他の外国法人」という。)の発行済株式等の全部又は一部が個人又は内国法人により所有されている場合 当該個人又は内国法人の当該他の外国法人に係る持株割合(その株主等の有する株式等の数又は金額が当該株式等の発行法人の発行済株式等のうちに占める割合をいう。以下この項において同じ。)に当該他の外国法人の当該外国法人に係る持株割合を乗じて計算した割合(当該他の外国法人が2以上ある場合には、2以上の当該他の外国法人につきそれぞれ計算した割合の合計割合)
二  当該外国法人と他の外国法人(その発行済株式等の全部又は一部が個人又は内国法人により所有されているものに限る。以下この項において「他の外国法人」という。)との間に1又は2以上の外国法人(以下この項において「出資関連外国法人」という。)が介在している場合であつて、当該個人又は内国法人、当該他の外国法人、出資関連外国法人及び当該外国法人が株式等の所有を通じて連鎖関係にある場合 当該個人又は内国法人の当該他の外国法人に係る持株割合、当該他の外国法人の出資関連外国法人に係る持株割合、出資関連外国法人の他の出資関連外国法人に係る持株割合及び出資関連外国法人の当該外国法人に係る持株割合を順次乗じて計算した割合(当該連鎖関係が2以上ある場合には、当該2以上の連鎖関係につきそれぞれ計算した割合の合計割合) 」(措令39条の16③)。

2012年12月18日火曜日

調査の透明性と予見可能性を高める 民主党政権で国税通則法を大幅改正 来年1月施行【税務】

2012.12.18 

 税務調査の手続きなどを定め、「税法の一般法」とも呼ばれる国税通則法が11年11月、1962年の制定以来初めて大幅改正さ れ、来年1月に完全施行される。「税務調査の手続きの法整備が遅れている」と日本弁護士連合会などから指摘されていた中、政権が「納税者権利憲章の制定」 をマニフェストに掲げた民主党に交代したことが同法改正の大きなきっかけとなった。税務調査手続きの透明性や納税者の予見可能性を高めることが目的の今回 の改正だが、国税職員からは「調査件数は相当減ることになる」など改正の負の影響を危惧する声も聞かれる。

「納税者の権利を明確にするために『納税者権利憲章』を制定します」---。09年8月の衆院選に向けて民主党が作った「民主党政策集 INDEX2009」の税制の項目に、政府税調の設置、給付付き税額控除制度の導入、道路特定財源の一般財源化などとともに「納税者権利憲章」の制定の文 字が並んでいた。納税者の権利を守るための具体的な改革として、更正(事後的な納税額の増額、減額)の期間制限が国税庁と納税者とで差があることを見直す としている。

 民主党が政権を取った後の同年12月22日に閣議決定された「10年度税制改正大綱」にも「納税者の税制上の権利を明確にし、税制への信頼確保に資するものとして『納税者権利憲章(仮称)』を早急に制定する」と記された。

 さらに翌10年12月16日に閣議決定された「11年度税制改正大綱」になると、憲章策定とともに税務調査手続きの明確化や処分の理由説明の実施 など、今回の国税通則法改正につながる内容が納税環境整備の項目内に併記されるなど、納税者権利憲章制定と国税通則法の改正はセットで考えられるように なった。

 しかし、ある国税職員が「憲章という屋根の下で始まったが、その屋根はなくなってしまった」と話すように、憲章策定については野党・自民党の反対もあって結局見送られることになり、国税通則法改正だけが結果的に残ることになった。

 

 「納税者権利憲章」制定は見送り


国税通則法改正直前の11年10月11日の税制調査会の議事録を見ると、中野寛成・民主党税調会長代行が「更正の請求期間の延長や理由付記など、 納税者の権利を具現化する事項を早期に実施することによって、納税環境整備は相当前進する。言わば実が取れるとの判断に立って、憲章については断腸の思い ではあるが、今回は見送ることとした」と述べている。

 政権発足時の民主党の思惑とはずれが生じたものの、「権利憲章だけ制定しても絵に描いた餅になる。そういう意味では確かに実を取ったといえると思 う」と財務省主税局の担当者が評価する国税通則法改正。実際の法改正で変わった主な点は▽税務調査手続きの明確化▽更正の請求期間の延長▽処分の理由説明 ---などだが、現場の国税職員にとっては事務作業量増加を強いる「厄介者」という側面があることは否定できない。

 税務調査手続きについては、税務調査の事前通知と税務調査の終了の際の手続きが法制化された。現場の裁量に委ねられている部分があったうえに、こ れまでは税理士のみに伝えればよかったのが、調査対象本人にも伝えなければならなくなったため、手間は増えることになる。さらに、調査開始日時、調査開始 場所などだけではなく、調査の目的、調査対象税目、調査対象となる期間、調査対象となる帳簿書類など通知する内容についても細かく定められたのも特徴の一 つだ。

 調査終了の手続きも整備された。これまでは調査の結果、問題点が全くない場合は「調査結果についてのお知らせ」と題する書面を送付していたが、 「実際には調査に入って何の指導事項もないことは少なく、この書面を送付することはまれだった」(国税庁課税総括課)。しかし、今後は指導事項の有無に関 わらず、税目ごと、期間ごとに「更正決定等をすべきと認められない旨」を記した書面を納税者に交付しなければならなくなる。

 一方、調査の結果、何らかの問題点があった場合は、調査結果の内容を説明することが法定化され、さらに修正申告などを勧奨する場合は「修正申告を 出した場合、不服申し立てをすることはできないが、更正の請求をすることはできる」ことを説明するとともに、そのことを記載した書面を交付しなければなら ないと定められた。

 このほか、納税者にとって不利益な処分についてはすべて理由を説明しなければならなくなる。

 一連の改正について、国税庁課税総括課は「慣れ親しんだやり方ではないのに加えて、法律で定められるということで『従来以上に厳密にやらなければ いけない』という精神的な負担は大きくなるかもしれない。ただ、これまでやってきたことが極端に大きく変わるわけではないと思う」と話す。

 国税庁は今年8~9月に全国約5万6000人の職員が参加する研修を実施したほか、10月からは事前通知や修正申告勧奨時の書面交付といった新手 続きを先行実施している。少しでも早く新業務に慣れさせるのが狙いだが、東京国税局幹部は「法人、個人、大企業、中小企業など何を担当している部署かに よって異なるだろうが、概ね調査件数は2~3割は減ってしまうのではないか。慣れるまでにはしばらくの時間はかかるだろう」と顔をしかめる。

 民主党のマニフェストに端を発した国税通則法の大幅改正。中野氏は、納税者権利憲章の見送りについて述べた後、引き続き納税者の利益の保護と税務行政の適正かつ円滑な運営を確保する観点から、納税環境整備に向け検討を要請した。

 しかし、民主党政権がぐらつく中、「それらの先行きは不透明で、今後どうなるかは分からない」(財務省主税局)と税務当局は当惑気味。ある国税職員は「民主党のおかげで、税務調査の現場の困惑はしばらく続くということだけは明らか」とぼやく。