24-20-1 過少資本税制における株式保有割合の計算において国外支配株主等
24-20-2 外国の親会社が1,000を出資して日本の子会社を設立し、
24-20-3 特定債券現先取引等がある場合、
24-20-4 過少資本税制は、
24-20-5 過少資本税制により損金不算入とされた利子等は、
24-20-1 過少資本税制における株式保有割合の計算において国外支配株主等 と適用対象法人が同一の内国法人又は居住者に支配される兄弟関係 に当たる場合には、 当該同一の内国法人又は居住者が有する国外支配株主等に対する株 式保有割合は考慮されない。
誤り
国外支配株主等の株式を50%以上保有している必要がある。
「国外支配株主等 第2条第1項第1号の2に規定する非居住者又は外国法人で、内国法人との間に、当該非居住者又は外国法人が当該内国法人の発行済株式又は出資(当該内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の100分の50以上の数又は金額の株式又は出資を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める特殊の関係のあるものをいう(措法66の5⑤一)」
「法第66条の5第5項第1号に規定する政令で定める特殊の関係は、次に掲げる関係とする。
一 当該内国法人がその発行済株式又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額(以下この条において「発行済株式等」という。)の100分の50以上の株式又は出資の数又は金額(以下この条において「株式等」という。)を直接又は間接に保有される関係
二 当該内国法人と外国法人が同一の者(当該者が個人である場合には、当該個人と法人税法施行令第4条第1項に規定する特殊の関係のある個人を含む。)によつてそれぞれその発行済株式等の100分の50以上の株式等を直接又は間接に保有される場合における当該内国法人と当該外国法人の関係(前号に掲げる関係に該当するものを除く。)(措令39の13⑫)」
「第39条の12第2項及び第3項の規定は、前項第1号及び第2号の発行済株式等の100分の50以上の株式等を直接又は間接に保有されるかどうかの判定について準用する(措令39の13⑬)」
「前項第1号の場合において、一方の法人が他方の法人の発行済株式等の100分の50以上の数又は金額の株式又は出資を直接又は間接に保有するかどうかの判定は、当該一方の法人の当該他方の法人に係る直接保有の株式等の保有割合(当該一方の法人の有する当該他方の法人の株式又は出資の数又は金額が当該他方の法人の発行済株式等のうちに占める割合をいう。)と当該一方の法人の当該他方の法人に係る間接保有の株式等の保有割合とを合計した割合により行うものとする(措令39の12②)」
「前項に規定する間接保有の株式等の保有割合とは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる割合(当該各号に掲げる場合のいずれにも該当する場合には、当該各号に掲げる割合の合計割合)をいう。
一 前項の他方の法人の株主等(法人税法第2条第14号に規定する株主等をいう。次号において同じ。)である法人の発行済株式等の100分の50以上の数又は金額の株式又は出資が同項の一方の法人により所有されている場合 当該株主等である法人の有する当該他方の法人の株式又は出資の数又は金額が当該他方の法人の発行済株式等のうちに占める割合(当該株主等である法人が2以上ある場合には、当該2以上の株主等である法人につきそれぞれ計算した割合の合計割合)
二 前項の他方の法人の株主等である法人(前号に掲げる場合に該当する同号の株主等である法人を除く。)と同項の一方の法人との間にこれらの者と発行済株式等の所有を通じて連鎖関係にある1又は2以上の法人(以下この号において「出資関連法人」という。)が介在している場合(出資関連法人及び当該株主等である法人がそれぞれその発行済株式等の100分の50以上の数又は金額の株式又は出資を当該一方の法人又は出資関連法人(その発行済株式等の100分の50以上の数又は金額の株式又は出資が当該一方の法人又は他の出資関連法人によつて所有されているものに限る。)によつて所有されている場合に限る。) 当該株主等である法人の有する当該他方の法人の株式又は出資の数又は金額が当該他方の法人の発行済株式等のうちに占める割合(当該株主等である法人が2以上ある場合には、当該2以上の株主等である法人につきそれぞれ計算した割合の合計割合)(措令39の12③)」
24-20-2 外国の親会社が1,000を出資して日本の子会社を設立し、 当該子会社に3,000を貸し付ける。さらに、当該子会社は4, 000(資本金1,000、借入金3,000) を原資に日本の孫会社を設立し、 外国の親会社は当該孫会社に12,000を貸し付ける。 このような取引の繰返しを行い過少資本税制を回避できる。
誤り
回避できない(措法66の5①、措令39の13㉕)。
日本の子会社 S
日本の孫会社 S’
「内国法人が、平成4年4月1日以後に開始する各事業年度において、当該内国法人に係る国外支配株主等又は資金供与者等に負債の利子等を支払う場合において、当該事業年度の当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債に係る平均負債残高が当該事業年度の当該内国法人に係る国外支配株主等の資本持分の3倍に相当する金額を超えるときは、当該内国法人が当該事業年度において当該国外支配株主等及び資金供与者等に支払う負債の利子等の額のうち、その超える部分に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額は、当該内国法人の当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。ただし、当該内国法人の当該事業年度の総負債(負債の利子等の支払の基因となるものに限る。)に係る平均負債残高が当該内国法人の自己資本の額の3倍に相当する金額以下となる場合は、この限りでない(措法66の5①)」
「国外支配株主等の資本持分 各事業年度の国外支配株主等の内国法人の純資産に対する持分として政令で定めるところにより計算した金額をいう(措法66の5⑤六、措令39の13⑳、㉑)。」
①Sは過少資本税制を回避できるか?
Sにとって国外支配株主等はPのみで、負債を負っているのもPのみである。
負債残高3,000は資本1,000の3倍を超えないからSは過少資本税制を回避できる。
②S’は過少資本税制を回避できるか?
S’にとってPが国外支配株主等に該当し、Sが資金供与者等に該当する。
S’の国外支配株主等であるPの資本持分は1,000(※)で、負債残高は国外支配株主等であるPのみとなる。負債残高12,000は資本1,000の3倍を超え、S'は過少資本税制を回避できない。
(※) 4,000(4,000×100%) > 1,000
「超える金額」が3,000(4,000-1,000)であり、「負債の額」は12,000であることから、「控除対象金額」は3,000となり、自己資本の額は1,000(4,000-3,000)となる(措令39の13㉕)。
「当該内国法人と当該内国法人に係る国外支配株主等との間に当該内国法人の株主等である他の内国法人又は出資関連内国法人(当該内国法人と当該他の内国法人との間にこれらの者と株式等の保有を通じて連鎖関係にある一又は二以上の内国法人をいう。次項において同じ。)が介在している場合において、当該内国法人の当該事業年度終了の日における資本金等の額に当該他の内国法人又は出資関連内国法人の当該内国法人に係る持株割合を乗じて計算した金額が当該他の内国法人又は出資関連内国法人の同日における資本金等の額(法人税法第2条第16号に規定する連結申告法人に該当する法人にあつては、第39条の113第21項に規定する連結個別資本金等の額)を超えるときは、当該内国法人に係る自己資本の額は、当該自己資本の額から、その超える金額と当該他の内国法人又は出資関連内国法人の同日における当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債の額とのいずれか少ない金額(次項において「控除対象金額」という。)を控除した残額とする(措令39の13㉕)」
24-20-3 特定債券現先取引等がある場合、
誤り
一定額を控除し、2倍となる。
「前項の規定を適用する場合において、当該内国法人は、当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債のうちに特定債券現先取引等に係る負債があるときは、当該国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債に係る平均負債残高から政令で定めるところにより計算した特定債券現先取引等に係る平均負債残高を控除して計算した平均負債残高又は当該事業年度の総負債に係る平均負債残高から政令で定めるところにより計算した特定債券現先取引等に係る平均負債残高を控除して計算した平均負債残高を基礎として政令で定めるところにより計算した国外支配株主等の資本持分又は自己資本の額に係る各倍数を当該内国法人に係る国外支配株主等の資本持分又は当該内国法人の自己資本の額に係る各倍数とし、当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に支払う負債の利子等の額から政令で定めるところにより計算した特定債券現先取引等に係る負債の利子等の額を控除した金額を当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に支払う負債の利子等の額とすることができる。この場合において、前項中「3倍」とあるのは、「2倍」とする(措法66の5②)
24-20-4 過少資本税制は、 国内において事業を行う外国法人が支払う負債の利子等についても 適用され、 対象となる負債及び利子は国内において行う事業にかかるものに限 られる。
正しい
国内において事業を行う外国法人が支払う負債の利子等についても適用され、国内事業にかかわるものに限定して考える。
一定額を控除し、2倍となる。
「前項の規定を適用する場合において、当該内国法人は、当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債のうちに特定債券現先取引等に係る負債があるときは、当該国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債に係る平均負債残高から政令で定めるところにより計算した特定債券現先取引等に係る平均負債残高を控除して計算した平均負債残高又は当該事業年度の総負債に係る平均負債残高から政令で定めるところにより計算した特定債券現先取引等に係る平均負債残高を控除して計算した平均負債残高を基礎として政令で定めるところにより計算した国外支配株主等の資本持分又は自己資本の額に係る各倍数を当該内国法人に係る国外支配株主等の資本持分又は当該内国法人の自己資本の額に係る各倍数とし、当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に支払う負債の利子等の額から政令で定めるところにより計算した特定債券現先取引等に係る負債の利子等の額を控除した金額を当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に支払う負債の利子等の額とすることができる。この場合において、前項中「3倍」とあるのは、「2倍」とする(措法66の5②)
24-20-4 過少資本税制は、
正しい
国内において事業を行う外国法人が支払う負債の利子等についても適用され、国内事業にかかわるものに限定して考える。
24-20-5 過少資本税制により損金不算入とされた利子等は、受取者に対する配当とみなされることから、利子としての源泉所得税ではなく、配当としての源泉所得課税に変更される。
誤り
負債利子として内国法人の損金にならないのであって、配当とみなすわけではない。
「内国法人が、平成4年4月1日以後に開始する各事業年度において、当該内国法人に係る国外支配株主等又は資金供与者等に負債の利子等を支払う場合において、当該事業年度の当該内国法人に係る国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債に係る平均負債残高が当該事業年度の当該内国法人に係る国外支配株主等の資本持分の3倍に相当する金額を超えるときは、当該内国法人が当該事業年度において当該国外支配株主等及び資金供与者等に支払う負債の利子等の額のうち、その超える部分に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額は、当該内国法人の当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。ただし、当該内国法人の当該事業年度の総負債(負債の利子等の支払の基因となるものに限る。)に係る平均負債残高が当該内国法人の自己資本の額の3倍に相当する金額以下となる場合は、この限りでない(措法66の5①)」
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