2012年9月9日日曜日

大阪酷税局

税務調査で「威圧と誘導」 川崎汽船の調査で、不服審判所認定

2012/9/7 23:02

海運大手の川崎汽船(本店・神戸市)に対する大阪国税局の追徴課税処分を取り消した大阪国税不服審判所が、国税局職員の税務調査に「威圧や誘導があった」と裁決で認定していたことが7日、分かった。

関係者によると、同社はパナマの子会社が船舶の建造を造船所と契約した後、鋼材価格が高騰したため再交渉して約16億円を上乗せすることで合意し、経費計上した。

大阪国税局は税務調査で、再交渉の合意の事実はなく、経費の水増しで所得隠しに当たると判断。2010年6月、この約16億円を含む約64億円の申告漏れを指摘したが、同社は処分を不服として審判所に審査請求した。

審判所は昨年12月の裁決で、調査に当たった国税職員が見立てに沿うような確認書を作成し、一部事実に反する内容の回答をさせたり、隣室の会議に支障が出るほどの怒鳴り声を発したりしたと認定。再交渉の合意は事実と認めて処分を取り消した。

大阪国税局は「個別事案はコメントできないが、納税者の主張を正確に把握し、適正な課税に努めたい」としている。



大阪国税局が「威圧・誘導」 不服審判所、川崎汽船の主張認める

2012.9.7 20:05

海運大手「川崎汽船」(神戸市)が大阪国税局から平成21年までに約64億円の申告漏れを指摘され重加算税など約19億円を追徴課税されていた問題で、大阪国税不服審判所が同国税局による税務調査の手法について「威圧・誘導的だった」と認定していたことが7日、分かった。審判所は昨年12月、同社の主張を認め、所得隠しと判断された約16億円分を取り消した。

関係者によると、海外子会社が船舶を購入した取引について、同社は「鋼材価格が高騰したため、上昇分の約16億円を上乗せして再契約した」と主張。一方、国税局側は「再契約自体が虚偽」と指摘し、所得を圧縮するために経費を水増しした所得隠しと判断した。

同社は不服として審判所に審査請求。国税職員が同社社員らから事実関係を聞き取った確認書を作る際に「威圧的に言われ、国税局の主張に沿う内容の確認書に押印した」「『そのまま書いて』と国税職員が作った文案のまま署名するよう誘導された」と主張した。

審判所は、国税局側の認識に沿うよう確認書を作った▽一部事実に反する回答をさせた▽隣室の会議に支障をきたすほどの怒声を発した-と指摘。「威圧・誘導的な手法に訴えたとうかがえる」と認定する一方、「再契約は事実」として同社の主張を認めた。

川崎汽船は「コメントできない」。同国税局は「税務調査では納税者の主張を正確に把握し、的確な事実認定に基づいて適正な課税に務めたい」としている。



大阪国税職員が威圧、誘導=川崎汽船の調査で-不服審判所が認定

大阪国税局が海運大手「川崎汽船」(東京都千代田区)に約16億円の所得隠しを指摘した税務調査で、大阪国税不服審判所が「威圧や誘導」などがあったと認定していたことが7日、分かった。
同国税局は2010年6月、同社に対し、09年3月期までの5年間で約64億円の申告漏れを指摘。このうち約16億円は、パナマにある子会社が意図的に経費を水増ししたと判断した。川崎汽船は指摘を不服として申告漏れ全額の取り消しを求め、同審判所に審査請求した。
審査の過程で、川崎汽船側は国税局職員が調査の際、怒鳴り声を上げたり、見立てに沿うよう同社従業員を誘導したりしたと主張。同審判所は昨年12月、これを認めた上で、「契約後に原材料費が高騰し、再契約した」とする同社の主張も認め、所得隠しとされた16億円分の処分を取り消し、重加算税約6億円が同社に還付された。(2012/09/07-16:41)



大阪国税が威圧調査 不服審「怒声、回答誘導」

大阪国税局が海運会社大手・川崎汽船(本店・神戸市)に約16億円の所得隠しを指摘したことについて、大阪国税不服審判所が全額を取り消した裁決で、「国税局職員が税務調査の際、従業員に対し、威圧・誘導的な手法に訴えた」と認定していたことがわかった。審判所が税務調査の不当性を認めるのは極めて異例という。

関係者によると、同国税局は2010年6月、同社に対し、09年3月期までの5年間で約64億円の申告漏れを指摘。うち16億円はパナマの子会社が経費を水増しするなどしており、悪質な所得隠しと判断した。同社は重加算税を含む約19億円を全額納付したが、処分を不服として、同審判所に審査請求した。

審査の中で、同社側は「国税局職員がどなったり、回答を誘導したりした」などと主張。同審判所は昨年12月の裁決でこれを認め、「怒声を発し、従業員に事実と反する回答をさせ、国税局側の認識に沿うような書面を作成した」などと認めた。また、所得隠しとされた16億円については「鋼材価格が高騰し、契約を見直していた」と同社側の主張を採用し、処分を取り消した。

同国税局は「個別事案はコメントできない。今後は納税者の主張を正確に把握し、適正な課税に努めたい」としている。

◆国税不服審判所 国税局や税務署による課税や差し押さえなどの処分に対し、納得できない納税者が処分の取り消しなどを求めた時、その妥当性を審理する国税庁の機関。審判官は双方の主張を聞くなど調査し、裁決する。東京の本部のほか、全国に12の支部と7支所が設けられている。
(2012年9月8日 読売新聞)



大阪国税局が威圧調査 不当性認め所得隠し指摘取り消し

2012年9月7日

大阪国税局が海運大手の川崎汽船(神戸市)に約16億円の所得隠しを指摘した税務調査で、大阪国税不服審判所が、国税職員の聞き取りに「威圧や誘導」があったと判断していたことがわかった。見立てに沿うよう同社従業員らに回答させた国税局の調査は根拠がないとして、約16億円全額を取り消し、確定した。国税局の調査の不当性が、国の機関である審判所から指摘されるのは極めて異例だ。

国税局は2010年6月、同社に対し、09年3月期までの5年間で約64億円の申告漏れを指摘した。このうち、パナマの子会社が日本の造船会社から船舶を買った際、「鋼材価格が高騰したため、契約を見直して上乗せした」として払った約16億円を、悪質な所得隠しと認定した。契約を見直した事実はなく、経費の水増しとの判断だった。

同社はこれを不服として審判所に審査請求。国税局の担当職員が川崎汽船や造船会社の従業員らを調べた際、「(従業員らと合意した事実関係を記す)確認書を作る時、威圧的に言われ、国税局の主張に沿う内容の確認書に押印した」「『そのまま書いて』と、国税職員が作った文案のまま確認書に署名するよう誘導された」「『この回答は違う』『この会社は法人の体をなしていない』と怒鳴られた」などと訴えた。

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