武富士
最二小判 平23. 2.18
東京高判 平20. 1.23
東京地判 平19. 5.23
住所とは,反対の解釈をすべき特段の事由はない以上,生活の本拠,すなわち,その者の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心を指すものであり,一定の場所がある者の住所であるか否かは,客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かにより決すべきものと解するのが相当である
一定の場所が住所に当たるか否かは,客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かによって決すべきものであり,主観的に贈与税回避の目的があったとしても,客観的な生活の実体が消滅するものではない
贈与税回避を可能にする状況を整えるためにあえて国外に長期の滞在をするという行為が課税実務上想定されていなかった事態であり,このような方法による贈与税回避を容認することが適当でないというのであれば,法の解釈では限界があるので,そのような事態に対応できるような立法によって対処すべきものである。そして,この点については,現に平成12年法律第13号によって所要の立法的措置が講じられているところである。
補足意見
一般的な法感情の観点から結論だけをみる限りでは,違和感も生じないではない。しかし,そうであるからといって,個別否認規定がないにもかかわらず,この租税回避スキームを否認することには,やはり大きな困難を覚えざるを得ない。けだし,憲法30条は,国民は法律の定めるところによってのみ納税の義務を負うと規定し,同法84条は,課税の要件は法律に定められなければならないことを規定する。納税は国民に義務を課するものであるところからして,この租税法律主義の下で課税要件は明確なものでなければならず,これを規定する条文は厳格な解釈が要求されるのである。明確な根拠が認められないのに,安易に拡張解釈,類推解釈,権利濫用法理の適用などの特別の法解釈や特別の事実認定を行って,租税回避の否認をして課税することは許されないというべきである。そして,厳格な法条の解釈が求められる以上,解釈論にはおのずから限界があり,法解釈によっては不当な結論が不可避であるならば,立法によって解決を図るのが筋であって(現に,その後,平成12年の租税特別措置法の改正によって立法で決着が付けられた。),裁判所としては,立法の領域にまで踏み込むことはできない。後年の新たな立法を遡及して適用して不利な義務を課すことも許されない。結局,租税法律主義という憲法上の要請の下,法廷意見の結論は,一般的な法感情の観点からは少なからざる違和感も生じないではないけれども,やむを得ないところである。
贈与時に国内に住所はなかったと認定、1300億円超の贈与税を取消し
国外の相続財産を課税対象に~相続税・贈与税の負担回避行為防止
「居住者」か「非居住者」かの区分判定
鳥飼総合法律事務所
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東京高判 平20. 2.28
東京地判 平19. 9.14
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租税回避目的の立証不十分で、控訴審も国側敗訴で確定
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